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休憩中にSNSを見る。それ、本当に休めていますか?

経営 約4分で読めます

仕事がひと段落すると、ついスマホを手に取る。LinkedInを見たり、Instagramを開いたり、YouTube Shortsを眺めたりする。数分だけのつもりが、気づけば10分、20分経っていることもあります。

私自身も含めて、多くの人がこうした時間を「休憩」と考えていると思います。

でも最近、少し気になることがあります。

SNSを見ている時間、脳は本当に休んでいるのでしょうか。

先日、「The Diary Of A CEO」で、UC Berkeleyの認知神経科学者サハール・ユーセフ博士のインタビューを見ました。テーマは集中力と生産性です。

その中で特に印象に残ったのが、「休憩中に、さらに情報を入れ続けない」という考え方でした。

私たちは仕事をしている間、すでに大量の情報を処理しています。メール、チャット、会議、資料、ニュース、AI。少し疲れると仕事から離れるためにスマホを開きますが、仕事からは離れていても、脳へのインプットは止まっていません。

私たちは、かなり頻繁に注意を切り替えている

カリフォルニア大学アーバイン校のGloria Mark教授は、長年にわたりデジタル環境における注意力を研究しています。

その研究では、人が一つのスクリーンに注意を向け続ける時間は平均約47秒。2004年には約2分半だったものが、2012年頃には75秒、近年は約47秒まで短くなったと報告されています。(gloriamark.com)

ただし、これは「人間は47秒しか集中できない」という意味ではありません。正確には、デジタル画面上で一つの対象から別の対象へ注意を切り替えるまでの平均時間です。

問題は、この切り替えの多さです。Mark教授の研究では、注意の切り替えが頻繁になるほど、ストレスも高まる傾向が確認されています。(apa.org)

仕事中に注意を切り替え続け、休憩に入ってもSNSでまた注意を切り替え続ける。考えてみると、私たちは一日のかなり長い時間を、こうした状態で過ごしているのかもしれません。

SNS休憩にも効果はある。ただ、十分に休めるとは限らない

ここは少し意外でした。

SNSを見る休憩が、まったく意味がないわけではありません。

2024年にScientific Reportsに掲載された研究では、働く成人308人を対象に、休憩なし、何もしない休憩、自然を見る休憩、アルゴリズム型のショート動画を見る休憩などを比較しています。

結果を見ると、SNSを使った短い休憩にも、仕事から心理的に離れたり、多少エネルギーを回復したりする効果はありました。

ただ、疲労や活力は十分には元に戻りませんでした。一方で、自然を見る休憩は、この実験では比較的高い回復効果を示しています。(nature.com)

研究者たちはその理由の一つとして、自然を見るときには比較的受動的な注意で済む一方、SNSでは次々に現れるコンテンツに注意を向け続ける必要がある可能性を挙げています。(nature.com)

つまり、SNSは仕事からは離れさせてくれる。でも、脳まで十分に休ませてくれるとは限らない、ということです。

集中するためには、休み方まで設計する

ユーセフ博士が紹介していた方法の一つに「Focus Sprint」があります。

やることはシンプルです。集中する時間を決め、成果物を決め、通知を切り、一つの仕事だけをする。そして、その後にきちんと休む。

この「その後」が意外と重要だと感じました。

休憩になった瞬間にスマホを開くのではなく、窓の外を見る。コーヒーを淹れる。少し歩く。何もしない。

一見すると、生産性とは関係のない時間に見えます。でも、こうした情報を入れない時間があるからこそ、次の集中につながるのかもしれません。

私たちは「何もしない時間」を減らしすぎたのかもしれない

以前なら、電車を待つ時間や、エレベーターを待つ時間、人との待ち合わせの数分間に、特に何もしていないことがありました。

今は10秒空けばスマホを見る。30秒空けばニュースを見る。1分空けば動画を見る。

便利になった一方で、人間の一日の中から「何もしない時間」がかなり減ったように思います。

これは少し考えてもいいテーマだと思います。

そして、この話はAI時代になるとさらに重要になります。

AIは文章を書き、調べ、要約し、アイデアも出してくれます。仕事の効率は確実に上がります。

一方で、空いた時間までAIやSNSで埋めてしまえば、自分の頭だけで考える時間はむしろ減る可能性があります。

ユーセフ博士は今回のインタビューで「Thinking Class」という言葉を使っていました。AIやテクノロジーが発達するほど、深く考える力を維持できる人と、絶えず刺激を受け、自分で考える時間を失う人との差が広がるのではないか、という問題提起です。

私はこの部分が一番印象に残りました。

日曜日くらい、少しだけ情報を減らしてみる

私も仕事の合間についスマホを見ます。

だから、SNSを見るなと言いたいわけではありません。SNSにも気分転換としての価値はあります。

ただ、休憩のすべてをSNSにする必要もないと思います。

5分だけスマホを置く。外を見る。歩く。コーヒーを飲む。何もしない。

AIが多くのことをやってくれる時代だからこそ、人間には何かを入力する時間だけでなく、何も入力しない時間も必要なのかもしれません。

明日から、また一週間が始まります。

今日は少しだけ、自分の「休み方」を見直してみようと思います。

この記事は2026年10月18日にLinkedInで公開したものです。LinkedInの元記事でコメントする

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