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【海外レポート】SEOの次は「AIO」? 顧客があなたを見る前に、AIが店を選ぶ時代が始まった

AI・DX 約6分で読めます

中国で、スマートフォンの役割が変わり始めています。

これまでスマホは、 「人がアプリを操作するための端末」でした。

これからは、

「人の代わりにAIがアプリを操作し、比較し、選び、実行する端末」

になっていくかもしれません。

そして、この変化が本格化すると、影響を受けるのはスマホメーカーだけではありません。

ホテル、EC、飲食、小売、旅行、金融、そしてB2Bサービスまで。

私はむしろ、企業側の「選ばれ方」が変わることのほうが重要だと考えています。


中国で「AIエージェントスマホ」が一般販売へ

2026年9月16日、中国でnubia「NaviX Ultra」が正式発売されました。

この端末にはByteDanceの「豆包(Doubao)スマホアシスタント」がシステムレベルで搭載されており、メーカー側は「世界初のAI智能体手机(AIエージェントスマートフォン)」と位置づけています。

従来の生成AIとの大きな違いは、

AIが「答える」だけでなく、「操作する」方向へ進んでいることです。

たとえば、

「会社まで車を呼んで」

と頼むと、AIが住所や車種などを確認し、対応するサービスを操作して注文まで進める。

つまり、

人間 → アプリ → サービス

だった導線の間に、

人間 → AI Agent → アプリ/サービス

という新しいレイヤーが入り始めています。

もちろん、現時点では万能ではありません。

第三者アプリ側の許可が必要なケースがあり、決済や本人確認など高リスクな操作はユーザー自身に戻される設計になっています。

しかし、私はここで「今どこまで操作できるか」だけを見ると、本質を見落とすと思っています。

重要なのは、

消費者の「検索・比較・選択・実行」をAIが代行する方向に、UIそのものが動き始めたことです。


ホテルを「人間」ではなく「AI」が選ぶと何が起きるか

たとえば旅行。

これまではGoogleや旅行サイトで、

「上海 子連れ ホテル」

などと検索し、一覧を見て、写真を見て、レビューを読んで、自分でホテルを選びました。

しかしAI Agentが普及すると、

「観光地に近くて、朝食付き。子ども連れに向いていて、1泊1,000元以内のホテルを予約して」

これだけになる可能性があります。

するとAIが、

立地、 料金、 朝食、 子ども向け設備、 駐車場、 レビュー、 キャンセル条件……

などを比較し、候補を絞り込みます。

ここで非常に重要な問題が生まれます。

あなたのホテルが実際には子連れ旅行に最高だったとしても、

その強みをAIが読み取れる形で情報化できていなければ、候補から外れる可能性がある。

顧客がホテルのWebサイトを見る前に、

AIによる一次選考が始まる

ということです。


ECも同じです

これまでは、「検索結果の上位に出る」 「CTRを上げる」 「商品画像をきれいにする」 「レビューを増やす」

ことが重要でした。

しかしユーザーが、

「300元以内で、毛玉になりにくく、仕事にも着ていけるウールセーターを探して」

とAIに頼むようになったらどうでしょうか。

AIが見るのは、必ずしも「一番きれいな商品画像」ではありません。

素材は何か。 価格はいくらか。 誰向けなのか。 どんな用途なのか。 毛玉になりにくいのか。 レビューでは何が評価されているのか。

こうした情報を機械が理解できなければ、

商品自体は良くても、AIの推薦候補に入れない

ということが起こり得ます。


SEOの次に、「AIに理解される設計」が必要になる

これまで企業は、

「どうすれば人間に見つけてもらえるか」

を研究してきました。

SEO。 SNS。 広告。 ECモール。 インフルエンサー。 口コミ。

しかしAI Agent時代には、その前にもう一つの問いが加わります。

「どうすればAIに正しく理解してもらえるか?」

です。

商品のスペック、価格、在庫、対象顧客、利用シーン、レビュー、サービス条件、強み、他社との違い。

こうした情報が曖昧だったり、複数のページに分散していたり、構造化されていなかったりすると、

人間には魅力的に見えても、AIには判断できない可能性があります。

これは、SEOがなくなるという話ではありません。

むしろ、

SEO、人間向けUX、AI向け情報設計が同時に必要になる

と考えたほうが現実的でしょう。


中国では「AIに仕事をさせる」市場も動き始めている

もう一つ興味深い動きがあります。

中国の360グループは、2026年にAIエージェント型の業務プラットフォーム「納米Work(Nano Work)」を展開しています。

同社は、AIを単なるチャットツールではなく、

調査、 分析、 意思決定支援、 コンテンツ制作、 業務自動化、

などを実行する「AIチーム」として位置づけています。

つまり中国では、

消費者側ではAI Agentが「買う」

一方で、

企業側ではAI Agentが「売るための情報を分析・改善する」

という構図が生まれ始めています。

ここは非常に面白いポイントです。


経営者が今から考えるべきこと

私は、この変化を単なる「AIスマホの新製品ニュース」として見るべきではないと思っています。

本質は、「誰が購買意思決定の入口を握るのか」です。

Googleが検索の入口を握り、 Amazonや楽天がECの入口を握り、 InstagramやTikTokが発見の入口を握った。

そして次に、

AI Agentが「選択」の入口を握る可能性があります。

そうなれば企業側も、

「人にどう見せるか」だけでは足りません。

「AIが自社の商品・サービスをどう理解するか」

まで設計する必要が出てきます。

これはホテルやECだけの話ではありません。

採用でも、「この条件に合う会社を探して」

B2Bでも、「この要件に対応できる開発会社を3社選んで」

医療でも、「この条件で受診できる医療機関を探して」

という世界になれば、同じ構造が生まれます。


SMHCとして注目していること

SMHCでは、AI × IT × Healthcareを軸に、AIを単なる「使えるツール」ではなく、実際の業務や事業プロセスに組み込むことを重視しています。

今回の中国の動きを見て改めて感じるのは、

AI時代のDXは、社内業務の効率化だけでは終わらない

ということです。

これから企業は、「AIを使う側」から、「AIから選ばれる側」へ

という視点も持つ必要がある。

Webサイトの商品情報、サービスデータ、FAQ、レビュー、API、構造化データ、企業情報。

それらはこれから、人間に読ませるためだけの情報ではなく、

AI Agentに自社の価値を正確に理解させるための「経営資産」

になっていくのではないでしょうか。


あなたの会社の商品・サービスは、

AIが読んだだけで「誰に、どんな価値を提供している会社なのか」を正しく理解できるでしょうか?

顧客に選ばれる前に、 AIに選ばれる。

そんな時代は、思っているより早く来るかもしれません。

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この記事は2026年9月20日にLinkedInで公開したものです。LinkedInの元記事でコメントする

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